フリーペーパー・広報紙を出したい人はタブロイド判で作ろう
皆さんは「タブロイド」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
タブロイドとはA4とかB5とかでおなじみの紙のサイズ(判型)の一つです。このタブロイド判、実は私たちはさまざまなところでしょっちゅう目にしています。ちなみにこのタブロイド判でできた新聞やミニコミ誌をタブロイド紙と言います(夕刊フジやゲンダイなどが有名です)。手に取って読むのにちょうどよい、おなじみのサイズ、それがタブロイド判なのです。
広報紙やフリーペーパーとしておなじみの用紙サイズが「タブロイド判」
タブロイド判のサイズは縦が406ミリ、横が273ミリです。これはタブロイド判のうち「D版」とよばれるサイズのものです。
タブロイド判には実はもう一つ別のサイズがあり、D版とほぼ同じ大きさなのですがD判より少し小さく、縦が382ミリ、横が272ミリのものがあります。これはタブロイドの「B版」とよばれるサイズです。
このようにタブロイド判にはD版とB版の2サイズがあります。
タブロイド判に近い大きさでおなじみの用紙サイズがB4判です。B4判は縦が364ミリ、横が257ミリでタブロイド判より少し小さい程度。タブロイドB判の上下左右の端を少しずつ切り落すとB4判になります。
新聞に折り込まれている広報紙やフリーペーパー、あるいはチラシなどをよく見てみてください。タブロイド判のものがかなり多いはずです。またタブロイド判をよく見てみてください。よく見ると大きいもの(D判)と小さいもの(B判)が混在しているはずです。
なお朝日新聞や読売新聞などの新聞のサイズは、タブロイドD判を横にして上下に2つを合わせた大きさ(横545ミリ、縦406ミリ)になります。この判サイズは「ブランケット判」と呼ばれます。つまりブランケット判はタブロイド判の2倍、あるいはタブロイド判はブランケット判の2分の1の大きさというわけです。
PR活動に何かと便利なのが「タブロイド判」
およそ縦40センチ、横27センチのタブロイド判。タブレット判は手に取ってしっくり、開いてみてもしっくりくるサイズであり、このサイズの新聞やチラシなどの紙媒体を読むという所作は、多くの人々が自然と身に着けているおなじみの行動。タブレット判の紙媒体を読むという文化は人々にすっかり浸透・定着しているのです。
情報を発信する側から見れば、「手に取って読もう」という条件反射的な行動が期待できるという点で、タブレット判は情報を盛り込むための最適なメッセージボードであると言うことができます。
実際、タブレット判に収載されている情報は多種、多様、多彩です。目に留まるよう工夫された大見出しや価格、サービス内容などが記載されたテキスト、内容の理解とイメージをより深く鮮やかにする写真や図版など、紙面中にはさまざまな趣向や演出が散りばめられ、これらが渾然一体となって私たちの知覚神経を刺激していきます。
タブレット判のチラシや広報紙などの印刷物を手に取る機会があれば、そのときにあらためてよく見てみてください。タブレット判ではほとんどの場合、表と裏の両面が印刷されています。表面にはイベントやセールの開催情報など最も告知したい情報が掲載され、裏面、あるいは中面には商品やサービスの詳細情報や情報発信団体の活動内容や関連企業の広告などが掲載されるといった表現形式が多く見受けられます。
こうして見ていくと、タブロイド判は、「手に取って読もうという気になること」、そして、「さまざまな情報を盛り込めるスペースがあること」の2点からPR活動に非常に有用であることがわかります。
タブロイド判のフリーペーパーや広報紙を作ってみよう
「実際に自分たちもタブロイド判でフリーペーパーや広報紙を作って情報発信してみよう」と考え、情報を入れていこうとするとある事実に気づきます。
それは、「タブロイド判は実はとても大きい」ということです。上下左右に2センチ程度ずつ余白を取り、その中に新聞と同程度の大きさの文字(1文字3ミリ、行間合わせて5ミリ)で原稿用紙を作ってみると、約5600字(400字詰め原稿用紙14枚分)になります。一人でこれだけのボリュームのものを作るとなるとかなりたいへんな作業になります。
とは言っても、フリーペーパーや広報紙は文字だけで構成するものではありません。読みやすく、より高い訴求効果を出すためには写真や図版を入れる必要がありますし、フォントのサイズを大きくしてスペースを使う必要があります。
実際にタブロイド判を作るときにおすすめしたいのが、「レイアウトシート」の準備・作成です。
レイアウトシートは絵や料理でいうところのキャンパスやお皿に相当するものです。
キャンパスやお皿にさまざまな素材を配置して絵を描いたり、料理の盛り付けをしたりするように、レイアウトシートを作って進めると、紙面全体の意図や効果をより明確にかつ具体的に組み立てやすくなります。
レイアウトシートを作る場合は、紙面において基本となるテキストサイズ1文字を1マスにした原稿用紙の体裁にすることをおすすめします。
少し専門的になってしまうのですが、新聞・雑誌・広告などの紙媒体を作る現場では、文字の大きさを示す単位として、「ポイント(1ポイント=0.353ミリ)」や「級(1級=0.25ミリ)」などと呼ばれる単位が使われています。見出しなどでない通常のテキストのサイズには、ポイントでは9~10ポイント、級数では13~14級がよく使われます。これらは3.25~3.5ミリの大きさです。1マスの大きさはそのくらいを目安にするとよいでしょう。
また原稿用紙を作る場合、これに行間のスペースを加える必要があります。文字に行間を加えたサイズ(行送りと言います)は5~5.5ミリ程度(14~15ポイント、20~22級)を目安にするとよいでしょう。
このようなレイアウトシートを作るメリットは、紙面全体の大きさ(容量)を常にチェックしながら、細部の作り込みを進めることができるという点にあります。
チームで作る場合には各メンバーが担当するコーナー記事の所要スペースなども確認しやすくなりますし、情報の共有化も図りやすくなります。 広報紙やフリーペーパーを作る際、レイアウトシートをメンバー間で供覧しながら、ここにあれを入れよう、あそこにこれを入れようなどと話し合いながら作り込みを進めていくことで、メンバーの思いやねらいがより色濃く反映された紙面が出来上がっていきます。
まとめ
「タブロイド判」、および「タブロイド判を使った情報発信のあり方」について見てきました。今回紹介した内容の要点は以下のとおりです。
・タブロイド判は、手に取って読む判型としておなじみのサイズであること
・タブロイド判はわりと大きくて、文字、写真をふんだんに入れ込むことができること
・タブロイド作成にあたってはレイアウトシートを作って、より効果的な紙面作成を心がけること
タブロイド判は新聞に折り込んでも、各戸に投函するポスティングでも皆が何気なく手に取ってとりあえず見てくれるサイズなので、告知活動やマーケティングで有効な手段・方法を検討している人にとってはベストソリューションになりうるものです。自助努力は必要ですが、それほどコストもかけずに作って届ける方法もいろいろ出てきています。
タブロイド判を使った広報紙、フリーペーパー、チラシ等の作成・発行をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。