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タブロイド新聞の印刷で高品質で綺麗な仕上がりの『商業用輪転機』とは 特徴を詳しく解説

コラム

タブロイト新聞に欠かせないもの、それは印刷機です。どの印刷物にもいえることですが、品質が高いものを仕上げたいのであれば印刷機にこだわるのも1つの手です。ただ、印刷機といってもコピー機のようなものから、新聞を刷るための大きな印刷機もあり、一概にこれが良いとはいえません。今回はタブロイド新聞に使用される印刷機を中心に、高品質に仕上げる「商業用輪転機」の特徴を解説していきます。

タブロイド新聞を印刷できる商業用輪転機とは

そもそも「タブロイド新聞」とはタブロイド版規格(サイズ:273×406mm)で印刷された新聞のことを指します。このタブロイド新聞を大量に高品質で安く印刷できる印刷機が商業用輪転機です。商業用印刷機の印刷方式として一般的なオフセット印刷※では、カットされた紙を使用して印刷を行う枚葉機と、ロール紙を使用して大量印刷に特化した輪転機に分類されます。各々の特徴に沿って解説していきます。

※オフセット印刷:シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック(CMYK)各色の版を出力し印刷する方式のことです。印刷機の中に紙を通し、1枚の紙に4つの色を刷り重ねて仕上がり色を再現します。

タブロイド新聞の印刷における枚葉機

タブロイド新聞の印刷に枚葉機を使う場合は、小ロットを印刷したいときでページ数も比較的少ないものが最適です。また、枚葉機はカットした紙を印刷し、スクラム製本などの作業を別で行っていく必要があるため、納期について多めに見ておく必要があります。輪転機との決定的に違うのは厚紙の印刷ができることです。ポケットフォルダーやポストカードなどの印刷ができるので、輪転機との差別化がされています。

タブロイド新聞の印刷における輪転機

タブロイド新聞の印刷に輪転機を使う場合は、大ロットを短納期で印刷したいときです。ロール状の紙を印刷後、自動でスクラム製本作業まで行ってくれるので比較的早く仕上げることができます。ただ、印刷範囲として上下左右に10mm程度の余白が必要なので全面に絵柄を刷ることはできません。1枚当たりの単価を下げたい場合も大量に刷ることでディスカウントすることができます。

一般的な輪転機と新聞用輪転機、商業用輪転機の違いとは

タブロイド新聞を印刷する印刷機である輪転機には下記のような種類があります。

・一般的な輪転機
・新聞用輪転機
・商業用輪転機

ここでいう一般的な輪転機はタブロイド新聞には関係ありません。しかし、輪転機について理解を深めるためにも解説します。新聞用・商業用輪転機については形状がほぼ同じで円筒状の版を用いて、円筒型の圧胴によって紙を押し付け印刷するものです。この辺についても1つずつ解説していきます。

一般的な輪転機の特徴とは

オフィスでよく目にするコピー機に似たものを輪転機といいます。ここでは一般的な輪転機として解説します。この輪転機はデジタル印刷機とも呼ばれています。コピー機がトナーを熱により紙に定着させて印刷させているのに対し、輪転機は読み込んだ原稿からフィルムのようなものに穴を空け、印刷用の版を作成し、その穴にインクを通すことで紙に印刷します。スピードはコピー機の約5倍早く印刷することができます。また、輪転機は同一原稿の場合は印刷枚数が増えるほど安くなります。コピー機は同一単価での計算となってくるので、毎回印刷枚数が多くなるオフィスでは重宝されます。

新聞用輪転機の特徴とは

新聞用輪転機とは文字通り毎日発行される新聞を印刷するための印刷機です。同一絵柄をどれだけ早く、多く印刷できるかに重きが置かれています。ただ新聞広告などは美しい仕上がりを求められるため、品質についても日々研究がなされています。輪転機では印刷した後、インキを乾かすために高熱のドライヤーを使用します。その結果、紙が急激に乾燥し、縮んでしまうという特徴もあります。

商業用輪転機の特徴とは

商業用輪転機は新聞用輪転機よりも美しい紙面や、製本に必要な折り加工の正確さ、様々な印刷フォーマットや印刷資材への対応がされています。写真に美しさが求められるカタログや雑誌などは商業用輪転機で印刷されることが多いです。タブロイド新聞の印刷を商業用輪転機で行うことで、高品質な印刷物を仕上げることができます。

商業用輪転機ができる印刷とは

商業用輪転機では基本的に大量に印刷する場面で使用されます。例えば下記のようなものです。

・折込チラシ
・フリーペーパー
・ビラ
・書籍
・雑誌
・カタログ
・タブロイド新聞

何千何万枚と印刷するときに、商業用輪転機であれば印刷から加工までワンストップで対応することができます。また、枚数が多くなると1枚当たりのコストも安くなっていきます。

商業用輪転機で印刷する際の注意点

商業用輪転機で印刷する際の注意点もあります。以下のような場合には印刷機自体を変更したり、別の方法を考える必要があります。

・厚紙の印刷をしたい場合
・版ズレ・印刷ズレを起こしやすい絵柄の場合

1つずつ解説していきます。

厚紙の印刷をしたい場合

輪転機ではロール状の用紙に印刷していくため、性質上厚紙の印刷ができません。例えば、ポストカードや名刺、ポケットフォルダーなどはカットされた用紙に印刷する枚葉機で行う必要があります。印刷したいものによって、印刷機を選ばなければならないことも頭に入れておきましょう。

版ズレ・印刷ズレを起こしやすい絵柄の場合

高速でロール状の用紙を流し、印刷することで用紙が収縮し、版ズレ・印刷ズレを起こす場合があります。デザインの中で細い文字を使っている時には、インキを重ねて色を表現している特性上、ズレてしまうことがあるので、文字自体を太くするか、枚葉機での印刷を検討する必要もあります。

まとめ

ここまでタブロイド新聞の印刷に必要な商業用輪転機について解説してきました。実際に印刷する印刷機の特徴を知ることで、最終的な仕上がりをイメージすることができ、高品質な印刷物を作成することができます。その結果、タブロイド新聞を配布したときに読者へ良い印象を与えられるようになります。これを機会に印刷のクオリティまで考えてタブロイド新聞の制作を行っていきましょう。